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「 喪 失 メ ト ロ ノ ー ム 」
自分はいつの間にか忘れていくのに、相手にはいつまでも自分のことを覚えていてもらいたいからなんて、そんな矛盾で撮っていた。友達が死ぬまで、彼が生きているという実感が無かった。僕の乗った一つ先を走る電車が脱線してマンションに突っ込んだ時、あ、自分以外の誰かも生きているんだと思い出した。個々の脈拍とのズレを知ってしまった。
でも、僕がシャッターを押したい瞬間に、相手が目を閉じてしまったのなら、僕は相手が目を開く次の瞬間まで、ただシャッターを押し続ければいいだけだ。昨日愛した人を、いづれは忘れ、そして忘れられてしまうであろう僕は、失う事を受け入れながら、そのズレさえも愛せばいい。
僕が撮りたいのは、今「見た」景色なんかじゃ無い。僕が撮りたいのは自分がこれから「見たい」景色。全てはいつか消えていく。だから僕は写真で誰かと日常を作っていく。
1983年7月14日 大阪府生まれ。2006年3月 関西大学社会学部社会学科産業心理学専攻卒業。 2006年7月 Mio写真奨励賞 審査員特別賞 選考:笠原美智子(東京都写真美術館事業企画課長)。 2007年 ビジュアルアーツ専門学校・大阪写真学科夜間部卒業。
審査評 選:飯沢 耕太郎
構成の仕方などにはまだ物足りない部分もありますが、モノの見方や切り取り方には、他の人が真似できない天性のものがあるように思います。特に、同性である男の子を見る目は、クールであ りつつも感情的なものがぐっと入ってきていてユニークです。共感のレベルが高いというか。
画面を単純化する能力にも長けていますね。若い人だと、つい何でもかんでも画面に盛り込んでしまいがちです。でもこの作家は、言いたいことをうまく絞り込んで、ノイズを最小限に抑える方法を知っている。しかもそれが的確です。
写真の並べ方が少しぶつ切りになり過ぎていたりもしますが、展示をするときなどはもう一度しっかり練り直せばいい。大いに将来性を感じさせると思います。




