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写真で何ができるだろう?写真でしかできないことは何だろう?What can we do through photography? What is possible only through photography?

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優秀賞

中里 伸也(なかざと・しんや)
「Conversations with Stillness」
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応募作品の形態:カラープリント 大全紙(50.8cm x 61cm) 7点

ここ2年ほど、写真をもとに作品を制作してきました。もととなる写真はウジェーヌ・アジェの写真です。アジェは19世紀末から20世紀初頭にかけてパリを記録したことで有名な写真家です。近代化のため消滅しつつあった19世紀的パリを、後世の為に記録し続けた彼の姿勢に写真本来の姿や原点を感じたのが、自分の作品に彼の写真を選んだ理由かもしれません。

このような制作手法に至るまでにいくつかの理由があります。何か新しい手法を探していたこともありますし、自分の関わる写真についての疑問もありました。しかし、一番の理由はもう少し根本的な「見ること」への疑問だったと思います。例えば、古い写真を見ている時もどかしい感覚を覚えることがあります。その写真は明らかに現実に存在した世界であり、誰にとってもそれは自明の事であるにも関わらず、現実感が希薄に感じられるのです。このような経緯から、最初に「写真を見る」ことを据えた制作に至りました。

過去の写真を見て、被写体を制作し、撮影する、そのような制作過程を通して「見ること」について考えています。

PROFILE

1973年4月13日 東京都生まれ。 2003年 プラット・インスティテュート写真学科卒業。 2006年 写真新世紀 佳作。


審査評 選:榎本 了壱

どうやって作った写真なのか、最初は分かりませんでした。こんなに造形的な世界というのが、この世にあるのだろうかと思ってしまいました。

結局、ストレートな写真ではないということが分かって納得しました。フレームなど、細部にわたってうまく処理もしてあるので、すんなりとだまされてしまいそうでした。この完成度の高さには感心します。

人の気配や生活感にあふれたシチュエーションを写真にするのも一つの方向性ですが、もう一つの極にあるような作品がこれです。ありそうでないような、造形的な世界。こういうものを目に見える形で表現するというのも、写真の在り方でしょう。額縁に入れて飾っておきたくなってくる写真です。

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