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表示技術

キヤノンは、今後さらに多様化するディスプレイへの要求に応えるべく、高画質へのこだわりを基本に、超精密加工技術や材料技術、電子技術などを活かしてさまざまな表示技術の開発を推進しています。

MR(Mixed Reality)技術

現実世界を仮想世界と融合させるイメージング技術

現実世界と仮想世界をリアルタイムに違和感なく融合させるイメージング技術、それがMR(Mixed Reality:複合現実感)」です。VR(Virtual Reality)をより発展させ、現実世界の情報の豊かさと仮想世界の柔軟性、それぞれの長所を活かした先端技術です。

キヤノンは、独自開発した自由曲面プリズムを用いたHMD(Head Mounted Display)を2002年に発表し、世界に先駆けてMR技術の基礎を築きました。
キヤノンのHMDは、実際の視野の中に仮想物体が本当に存在するように表示できるデバイスです。HMDに内蔵された左右一対のCCDカメラを通して眼前の現実世界を撮影し、コンピューターに取り込みます。そして、その現実映像にコンピューターが保有するCG映像を融合して眼前のディスプレイに表示させます。ここで、HMDに内蔵されたカメラの光軸とディスプレイの光軸とを一致させる光学技術により、実寸感覚を体験者に提供することが可能です。また、独自開発した自由曲面プリズムにより、小型軽量かつ歪みの少ない映像を実現しています。

MR技術の課題は、現実の視野の映像とCG映像の「位置」や「時間」、「画質」にズレが生じてしまうことでした。このズレが生じると、「現実にそこにある」感覚、すなわちリアリティが得られないからです。
「位置」や「時間」のズレを生じさせないためには、高精度かつリアルタイムで処理できる位置合わせ技術が必要でした。そこで、キヤノンは、高精度かつ高速なマーカー検出手法を独自開発し、位置合わせに活用しています。さらに、センサー計測値の誤差を、カメラでキャプチャーした画像から検出したマーカーを用いて補正する、ビジョンとセンサーのハイブリッド位置合わせ技術を開発。これらにより、実用的な位置合わせを実現し、HMDを活用するシーンが格段に広がりました。

イラスト:MR技術の原理MR技術の原理

MR技術の実用研究として、駅のホームドア新設時の事前調査への適用に向けて検討されています。これ以外にも、デザイン・試作シミュレーションが期待される製造業のほか、医療診断・外科手術支援、教育・展示、エンターテインメントなど、多彩な分野への応用が期待され、キヤノンは事業化に向けて技術開発を進めております。

駅のホームドア設置におけるMR技術の実用研究例駅のホームドア設置におけるMR技術の実用研究例

Canon Premium Libraryで高画質の紹介映像をご覧いただけます。

有機ELディスプレイ

モバイル機器の利便性を向上

有機ELディスプレイは、二つの電極間にある有機材料が電圧により励起し、再び元に戻るときに光を放出する現象を利用した自発光型ディスプレイです。高画質で薄型・軽量、低消費電力であるため、携帯電話などのモバイル機器用ディスプレイとして注目されています。
キヤノンでは、有機材料から装置やプロセスまでの全工程を一貫して独自開発し、高性能と低コストをめざしています。
有機材料には、キヤノンが電子写真技術の分野で開発した有機感光体の原理を応用し、電子注入輸送材料、発光性能を上げるドーパント材料、RGB発光材料などを開発しました。
構造は封止層側へ光を出す「トップエミッション」で開口率が高く、光を効率よく取り出すことができます。「高精細マスク蒸着技術」を採用した有機膜は、RGB発光材料をそれぞれの色で発光するように各色ごとに塗り分けることで、カラーフィルターや色変換が不要です。画素の駆動には、「アクティブマトリクス方式」のTFT基板を採用しています。
製造技術面では、真空加工技術を保有するグループ会社のキヤノンアネルバ、キヤノントッキとの技術提携、ジャパンディスプレイとの協働により、高効率、高色純度および高寿命の有機ELディスプレイの製品化をめざしています。

写真:有機ELディスプレイ(試作機)有機ELディスプレイ(試作機)

イラスト:有機ELディスプレイの構造有機ELディスプレイの構造

グループ会社の技術―――キヤノントッキ株式会社

有機EL製造装置技術

有機ELディスプレイパネル製造に使われる有機材料は水や酸素に触れると劣化しやすいため、真空中でRGB各発光層などや金属電極材料を基板に真空蒸着で「成膜」、大気に触れることなく「封止」する必要があります。キヤノントッキは、パネル製造の全工程を完全自動化したクラスター型などの有機EL製造装置を開発・製造しています。
成膜工程は、CCDを用いた独自のマスクアライメント機構による「高精細マスク蒸着技術」で行います。有機材料は、蒸発源から蒸着され、膜厚は蒸着レート制御機構により最適にコントロールされます。金属電極材料を蒸着する場合は1,000℃程度の高温が必要なため、高温セル蒸発源を使用します。
封止工程は、大気圧に近い低真空、低湿度を保った装置を窒素ガスで満たし接着剤を用いて行います。
この全自動製造装置では、基板1枚あたり2~3分のサイクルタイムで約1週間の連続運転が可能で、有機ELディスプレイの量産と普及に貢献しています。

イラスト:完全自動化による有機ELディスプレイ製造装置完全自動化による有機ELディスプレイ製造装置

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