液晶プロジェクターの搭載技術
シアター上映や明るい場所での使用など、ますます、きれいに明るく進化する液晶プロジェクター。キヤノンは、反射型液晶パネル「LCOS」や、光学システム「AISYS」を開発。高画質に注力しています。

AISYS(Aspectual Illumination System)
液晶プロジェクターの高画質化と小型化を両立させる光学システム
キヤノンは、液晶プロジェクターの映像表示素子※1に反射型液晶パネルLCOS(Liquid Crystal On Silicon)を使用しています。LCOSは反射型液晶パネルの中でも高精細映像表示に優れた理想的なパネル素子ですが、PBS(偏光ビームスプリッター)と組み合わせて使用する必要があります。そして、LCOS、PBSを使う場合の難点は、明るさ・小型化とコントラストを両立することが難しいことです。この課題を克服するために、キヤノンが開発した独自の光学システムが「AISYS(Aspectual Illumination System)」です。
AISYSの照明光学系は光源からの光を収束させる際、光を縦方向と横方向で独立して制御します。縦方向は小さな角度で収束させてPBSやLCOSで発生する光もれ※2を防止し、コントラストをアップさせます。一方、横方向は大きな角度で収束させて輝度を上げ、明るさをアップさせます。これは、光学系の中に、縦方向のみ、あるいは横方向のみに光学的な作用を及ぼす素子を配置することで実現したものです。
第4世代AISYSの照明光学系の概念
現在、AISYSは第4世代にまで進化しています。
第3世代のAISYSでは、多数のレンズが縦横に並び、全体として一方向に凹面レンズの作用をもたせた「フライアイレンズ」※3を新規に開発。フライアイレンズの開発と新たな光学設計によってレンズ枚数の大幅な削減が可能となり、高コントラストを維持しながらも明るさの向上と小型化、コストの低減を実現しました。さらに、演色性の高い光源ランプの採用と目の官能特性を考慮した設計によって、より忠実な色再現も実現しました。
そして第4世代のAISYSでは、光学系の配置を見直すなどして、色分離合成系および光学系全体の小型化を実現。光学設計の精緻化と合わせて、第3世代のAISYSに比べて光源から投写レンズまでの距離が20%以上短くなり、本体サイズの小型化や明るさの向上に貢献しています。
フライアイレンズ
- ※1 映像表示素子
映像を表示する液晶パネルには透過型と反射型がある。透過型は液晶パネルの画素の内部に駆動回路があるため、光の透過しない部分が投写映像に格子状のグリッドとして映る。反射型は駆動回路が画素の背面にあるため、格子感のないシームレスな画像を投写できる。 - ※2 光もれ
黒色を表示する際に、投影面上に光が映り込んでしまうこと。
LCOSやPBSは光の入射角が大きいと多くの光もれが発生し、表示映像のコントラストが低下する。 - ※3 フライアイレンズ
蝿の目のように単レンズが縦横にびっしり並んだレンズ。
